2015年08月27日

眼科問診のコツと問診項目、手順

医師が患者に問診をしている画像

眼科問診の意義



医療技術が画期的に発展し、眼科の検査において、従来の光学器械に加えて電気生理、超音波、レーザー光などが広く応用され、そこから得られる患者からの情報は、質量ともに正に情報化社会にふさわしい高度なものです。

ですが医療の現場において、これらの高度な検査に入る以前に、患者と最初に接触して行う問診という情報収集手段は、今日でもその重要性は少しも失われていません。
問診からおおよその疾患の種類や程度を予測することができるし、そこから事後の検査コースを選択することもできます。

また問診は、患者と医療技術者が人として触れる大切な機会で、この場面を誤れば患者の信頼を失ってしまいます。

眼科問診のコツ



問診のコツとして重要な条件があります。
カルテに印刷してある項目に従って機械的に、尋問調に問診していては、決して十分な情報は得られません。
だからといって
「どんな具合ですか、なんでも話してください」
という自由質問法では、患者のいわんとする意味がはっきりはしますが、必ずしも必要な情報を的確に引き出せないおそれがあります。
親しみやすく訴えやすい状況を作り出しながら、一問一答法で進めていくのがいいでしょう。

そのほかに、

@回答者を楽な気持ちにする
A聞くことの重要性を回答者に納得させる
B相手の精神状態や表情をよく観察する
C質問は素直にする
D回答者が応えやすい聞き方をする
E論争、批判を避ける
F回答者の知識を知る

などが眼科問診のコツ、注意として挙げられます。





眼科問診の項目



主訴とその起始、経過



患者は病気の苦痛を各人各様に、多くは主観的な表現で訴えてくれるものです。
それらを聞き分け、的確に要約しなければなりません。
またそれらの主訴(症状)がいつから、どのように始まり、現在までどのような経過をたどったかも聞きましょう。


原病歴



主訴に基づく他の症状についてまず聞かねばなりません。
副訴、副々訴も当然参考になり、このあたりである程度の疾患の予測ができます。
そしてそれらの原因と考えられること、気づいたきっかけ、今回の症状までの眼の健康状態などを聞きます。
さらに重要なことは、今回の症状について、今までの医療歴についてです。
どのクリニックでどんな診断をされ、どのような治療を受けたかを聞くことは大切です。
特に患者は今までの受診について触れたがらないことが多いので注意しなければなりません。
また、眼鏡、コンタクトレンズの今までの処方箋まで揃うと、その情報価値は大きいでしょう。


既往歴



@眼科的

眼に関して今までにかかった疾患の年月日、診断名、受けた治療の内容をできるだけ詳細に聞かねばなりません。
今回の疾患にかかわっていることも多いからです。


A全身的(成人)

高血圧、糖尿病、腎疾患、心疾患、感染症、膠原病、結核、梅毒などについて問う。
さらに低血圧、胃腸疾患、外傷の既往、アレルギーの有無などにも注意しないといけません。


B全身的(小児)

妊娠中の異常、分娩異常、生下時体重、在胎週数、仮死および黄疸の有無、先天異常、生下時の両親の年齢および精神身体発育状態を問うことが大切です。





患者のプロフィール



この問診項目では、患者自身に関すること、生活の仕方、環境について問診しなければなりません。
すなわち職業、出生地、家族構成、結婚歴、生活程度、教育程度、趣味、嗜好、薬の使用などです。


家族歴



@年齢と健康状態

両親と同胞の家族構成、それぞれの健康状態を聞きます。


A家族性の疾患

まず両親の血族結婚の有無、次いで眼と全身の重篤な疾患、遺伝性疾患などが家族にないかを聞きます。
ことに遺伝性疾患の場合は、何代も家系をさかのぼる必要があります。

以上の問診各項目と診療所見と検査データがデータベースとなり、治療計画が立てられることになります。


主訴から予測される眼疾患



主訴から眼疾患を予測することは重要です。
その情報から順に検査を進め、診断を確定していきます。

小児では、主訴が主に保護者によることと、患児自身も症状を言葉が訴えるのでなく、種々の仕草で表現することが多いことを、知っておかねばなりません。
小児の主訴として考えられる疾患には視力障害では下記のようなものがあります。

屈折異常:遠視、近視、乱視
弱視:斜視性、屈折異常性、不同視性、形態覚遮断性
角膜疾患:角膜変性、角膜炎、円錐角膜
水晶体疾患:先天白内障、水晶体偏位
網脈絡膜疾患:コロボーマ、黄斑部変性、網膜色素変性
視神経疾患:低形成、視神経炎、視神経萎縮
グリオーマ中枢盲
心因性視力低下


問診の手順



問診すべき項目は、これまで述べたように多岐にわたっています。
これらのすべてを機械的に問診すべきとすると、到底多忙な外来診療に対応することはできないでしょう。
そこで主訴と対面しての視診から、ある幅をもって眼疾患が予測され、そこから基本的な原病歴と既往歴に加えて、重点的に問診しなければならない項目の必要性が分かってきます。
これは主訴と視診から検査プログラムを考えることと同様です。




posted by アク at 12:21| Comment(0) | 健康の知識
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